グリコール酸ピーリング
グリコール酸ピーリングは欧米で1世紀以上前から主に若返りを目的として発達してきました。
しかし、急激な普及とともにエステ業界では、医学的・学術的検証や管理意識の気薄さから、多くのトラブルをうむこともあり、一時社会問題にもなりました。
厚生労働省は、平成12〜13年にかけて「グリコール酸ピーリングは医療行為」とする通達を出し、医師の管理下における施術が適当であるとの見解を打ち出しました。
グリコール酸ピーリングは、手早く安価に行える、ニキビをはじめ広範囲の皮膚疾患や肌質の改善に有用な治療の1つです。
グリコール酸ピーリングとは、酸を皮膚に塗布しその作用によって皮膚表面を一定の深さで剥脱し、肌のターンオーバー(肌の再生サイクル)を促して肌のトラブルを整えることによって素肌の健康を取り戻す治療なのです。
ピーリングの種類
グリコール酸ピーリングは4つに分類されています。
●レベルT…VerySuperficicialPeeing(最浅層ピーリング)
●レベルU…SuperficialPeeling(浅層ピーリング)
●レベルV…MediumPeeling(中間深層ピーリング)
●レベルW…DeepPeeling(深層ピーリング)
人種による肌の違いによってレベルを考慮しなければいけません。表皮に厚みのある白人は回数・強さなどそれほど気にしなくてもトラブルにはなりませんが、黄色人種の日本人の肌には強すぎるピーリングは、トラブルを起こしかねないため、適切な薬剤の選択や濃度の設定が必須となります。
当院のピーリングの特徴と治療間隔・回数
当院はこの4つのピーリング分類のうち応用範囲が広くダウンタイムがない、日本人の肌質に受け入れられやすい、レベルT・Uのピーリングを行っております。グリコール酸を用いて、新しい皮膚の再生を促し健康な肌作りを目的としています。2〜4週間に1回、全5回のグリコール酸ピーリングが1クールの治療となります。
また、特徴として前処置の段階であらかじめ角質を柔らかくするたんぱく質分解酵素ジェルでマッサージすることがあげられます。。角質層を除去するためのグリコール酸が肌に浸透しやすくなり、そうすることで適切な層までのピーリングが可能となります。
グリコール酸とは
AHA(アルファヒドロキシ酸)と呼ばれる有機酸の一種です。ピーリング作用以外にも吸湿性があり、コラーゲンやエラスチンなどの産生を促進する働きがあります。この成分はさとうきびに多く含み、ヒトの皮膚にも微量存在しており、クエン酸やリンゴ酸他、酒石酸などもAHAの1つとして挙げられます。
グリコール酸ピーリングの適応疾患
ニキビ・毛穴のひらき・ざらつき・くすみ・脂漏性皮膚・小じわなどがあげられます。また、イオン超音波導入やレーザー治療との併用で、・日光性色素斑・雀卵斑(そばかす)・炎症後色素沈着への効果もあります。
ピーリングの効果
- 上記の適応症状を除去する、または改善効果が得られます。ターンオーバー周期を整え、毛穴の汚れを除去し、引き締めます。
- 繰り返し治療を受けることで、皮脂の分泌をコントロールしニキビができにくい肌になっていきます。
- 不要な角質をはがれやすくし、新陳代謝を活発にすることでくすみが取れるだけでなくつやのある健康で美しい肌になっていきます。
施術の流れ
洗顔
肌にやさしく働きかけながら毛穴を清潔にし、乾燥してきめの粗くなった古い角質をやさしく洗い落とします。
前処理
古くなった角質を取り除き軟化する為のジェルを目と口の周りを避け、顔全体になじませマッサージします。その後、洗い流すか完全に拭き取りグリコール酸の浸透を促進させます。
酸の塗布
20%〜30%(もしくは40%)の濃度のグリコール酸を目と口の周りを避け、顔全体にすばやく塗布します。
中和
15秒〜2分静置後、発赤がみられた時点で中和剤を用いて中和します。
クーリング
発赤と熱感などの鎮静化を測る為、冷タオルにてクーリングします。
※イオン導入、超音波導入を行う場合、この段階で行います。
スキンケア
ピーリング後のほてりと乾燥の鎮静化の為専用のローションを塗布します。日焼け止めクリームも塗布し、すぐにお化粧も可能です。
治療前の注意点
- ハイドロキノン・レチノイン酸外用薬治療や、レーザー治療をされている場合事前に申し出てください。
- 日焼けをしている状態ではピーリングを行うことはできません。
- 直射日光、紫外線は極力お避け下さい。
- ピーリング治療1週間前から顔面マッサージやゴマージュはお避け下さい。
- 前日の顔剃り(男性の場合は当日のひげ剃り)、パック・スクラブ洗顔をお避け下さい。
治療後の注意点
- 治療後1週間は低刺激性のローションでしっかりと保湿を行い、刺激(ヒリヒリ感や痛み)のある化粧品の使用はお避け下さい。
- 直射日光、紫外線は極力避け、外出時は必ず日焼け止めをお塗り下さい。
- ピーリングによりかゆみが一時的にあることがありますが、その際はクーリングし、引っ掻いたりしないようにして下さい。
- スクラブ洗顔、垢すり、パックは1週間お避け下さい。
- レチノイン酸治療をされている場合、3日程使用をおやめ下さい。
グリコール酸ピーリングが出来ない方
- ケロイド体質の方
- 妊娠中あるいは授乳中の方
- 施術部位にヘルペスや皮膚炎等の疾患がある方
- 紫外線防止のできない方
- レチノイン酸の内服・外用中の方
- 免疫不全状態の方
- 強い日焼けをしている方
- アトピー性皮膚炎の症状が強く出ている方
併用治療
ピーリング直後は、有効成分が浸透しやすくなっていますので、美白スキンケアやイオン超音波導入を行うことをお勧めしています。また、レーザー治療・光治療と併用することで更に大きな効果が期待できます。
「グリコール酸ピーリング」施術例
治療の概要
ほとんど全ての治療写真は、当院院長が主導的に行なった治療例です。当然のことですが画像処理等は行っておりません。
より詳しい情報のお問い合わせ
より詳しい情報はページ上部のバナーよりメールにてのお問い合わせ可能です。但し医療に関する適切な選択に資する情報提供を目的とするものとして、治療を検討中の患者様に限らせて頂きます。
費用について
費用は料金表通りです。治療費を提示する際にホームページに記載されている以上の治療費が加算されることはありません。
●グリコール酸ピーリング 11,000円(税込)/回
治療リスク、副作用等について
一般的な治療リスクとして、炎症後色素沈着、色素脱失、内出血、腫れなどが起こる場合があります。患者様によってはそれらが過敏に発生し遷延する場合もあります。肥厚性瘢痕、ケロイド化が生じる場合もあります。麻酔によるリスクが生じる可能性があります。その他予期せぬ合併症、副作用等が生じる可能性があります。
その他治療の種類により特有の治療リスク、副作用等があります。